嵯峨野トロッコ列車
京都・嵐山の周辺では桜や紅葉の名所は少なくありません。とはいえ、いずれも歩いて回る必要があります。 じっとしていても目の前にピンクの花びらや真っ赤に色づいた木々が迫ってくるのは嵯峨野トロッコ列車だけです。 嵯峨野めぐりの散策を楽しんでいても、お寺ばかりにちょっと飽きたようなカップルにはデートコースに変化が加えられます。 あるいは、家族連れならば小さい子どもも普段見ない乗り物に大満足でしょう。
新緑も鮮やかなだけではなく、夏ならば保津峡の涼しい風が車内へと吹き込んできます。さすがに真冬はオフシーズンで、2月の1カ月間は運休しています。 しかし、それさえ外せば、あえて冬に行くのもいいかもしれません。雪でも積もれば、山の斜面や谷底の川原などどこを見ても一面の銀世界になります。 また、車両の一部は「ストーブ列車」と化し、だるまストーブで石炭がたかれます。
駅は東から順にトロッコ嵯峨駅・トロッコ嵐山駅・トロッコ保津峡駅・トロッコ亀岡駅とあって、全線乗っても約7.3キロ・約25分ののんびりとしたプチ鉄道旅です。 嵯峨野めぐりからそのまま乗り込むのならば嵯峨駅か嵐山駅になるでしょう。あるいは、渓谷も歩いてみたいのならば、保津峡駅から乗るか降りるかしましょう。 西の端の亀岡駅まで行けば連絡バスが出ていて、保津川下り乗船場まで10分ほどしかかかりません。「行きはトロッコ列車に乗る。 帰りは保津川での急流下りにして、そのまま舟で渡月橋の目の前まで戻ってくる」といった密度の高いデートも可能です。 この渡月橋からもう一度嵯峨野めぐりを再開するのもいいし、近くの京福電気鉄道嵐山本線・嵐山駅から電車に乗り込めば、京都市内のほかのエリアにも簡単に移動できます。
嵯峨野トロッコ列車は正式には「嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線」といい、運営している嵯峨野観光鉄道はJR西日本の完全子会社です。 今、トロッコ列車が走っている線路には、かつてはJR山陰本線のディーゼル列車が走っていました。 この山陰本線が電化され、また、同時に複線化しました。崖沿いでカーブも多い保津峡の区間には並行して新線が作られました。
それから1年余りたった1991(平成3)年4月、新たに作られた嵯峨野観光鉄道が廃線になっていた部分を利用し、最初のトロッコ列車を走らせます。 しかし、その当時は確かに車窓からは山深い光景が広がるものの、それ以上のものではありませんでした。 嵯峨野観光鉄道の社員たちは自分たちの手で線路わきに苗を植え、手入れもして、今あるような桜や紅葉の名所に変えました。 今ではデートスポットの定番となっただけではなく、海外からの観光客もここを目指してくるようになり、嵐山名物のひとつとしてにぎわっています。
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※情報は変更等がございますので、必ずおでかけされる前に公式サイトなどでご確認いただきますようお願いいたします。
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