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初めての日本観光、半年後にはハワイでプロポーズ――茂木夫妻の“国際結婚”

「もっと一緒にいたい」と半年で結婚を決意

平田

知り合って半年、付き合いだしてからは3カ月で結婚に至ったということで、交際期間は短いですよね。お付き合いし始めた時に「この人と結婚するんだろうな」という予感はあったのでしょうか?

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茂木

いいえ、ありませんでした。僕たちは2人とも結婚願望が強くなかったんです。僕は「40歳くらいまで1人で自由に生きたい」と考えていました。

けれどサマンサが帰国するタイミングで、考え直すようになったんです。延べ半年一緒に過ごす中で、サマンサが素敵な女性であることは分かっていましたし、サマンサとだったら冒険しながら楽しい人生を過ごせそうだなと思うようになりました。しばらく遠距離恋愛で様子を見るという選択肢もありましたが、お互いの時間がもったいないなと思ったんです。人生エネルギッシュに過ごせる時間は限られていますし、その時間が一緒にいることでより充実するなら、それを先延ばしにする意味はないなと考えました。

ちょうどそのころ、2人でハワイに行きました。ハワイで一緒に過ごして、「やはりサマンサとはずっと一緒に冒険していきたい」と感じ、そのイメージにもより自信を持てるようになったので、ハワイでプロポーズしたんです。

森本

サマンサさんは結婚に対して不安はなかったのでしょうか?

サマンサ

結婚自体に不安はありませんでした。ただ、私の両親がどう思うか、不安でした。

私が日本を初めて訪れたのは東日本大震災の直後だったので、両親は当初、日本へ旅行することに反対していたんです。私は「どこの国でもコントロールできないことは起こる。今、日本に行かなければ私は後悔する」と主張して、なんとか認めてもらったんです。

ですから、結婚についても両親に反対されないか心配でした。けれど、彼が私にぴったりの相手だとすぐに両親は分かってくれましたから、彼との結婚を認めてくれました。

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森本

茂木さんは、サマンサさんのご両親と初めて会ったとき、どう感じましたか?

茂木

「結婚を反対されている」とは感じず、意外と普通に受け入れてもらえましたね。僕は知らなかったのですが、僕が初めてサマンサの両親に会ったとき、すぐに「彼だったら、仕方ないか」と納得してくれたそうです。

当時の僕は背中が今よりもう少し広かったので。今行っていたら反対されたかもしれません(笑)

森本

逆に、茂木さんのご両親へサマンサさんを紹介したときはいかがでしたか?

茂木

驚いていました。僕の故郷も田舎なので、近所に国際結婚した人はほとんどいなかったと思います。ですから周りの人はみんな、「国際結婚する」と聞いてビックリしていましたね。

ただ僕の父は海外が好きなんですよ。海外の音楽も好きですし、外国人とお話しするのも好き。ですので、サマンサが実家に来たときには大歓迎していました。

平田

お母様はいかがでしょう?

茂木

母は最初、心配していたようです。でも、今はサマンサと仲が良いですよ

「日本人だから」という期待がない。それが家族の仲を良好に

平田

「国際結婚してよかった」と思うことはありますか?

茂木

結婚する相手が日本人なら、日常生活のさまざまな場面で「こうしてほしい」と期待してしまうと思います。期待が裏切られたら、相手に対して失望することもあるでしょう。けれどサマンサはアメリカ人ですから、「日本人だから、こうしてほしい」と期待されることがありません。

例えば、母とサマンサと僕の3人でバスツアーに参加したことがありました。高齢の参加者が多いツアーだったのですが、集合時間になってもサマンサはバスの外で写真を撮っていて、おじいちゃんおばあちゃん方がバスの中で待っていたんです(苦笑)。サマンサが日本人だったら苦情を言う人もいたかもしれませんが、僕の母も含めて、みんな「まあ海外の若い人にはツアーなんて珍しいだろうし仕方ないよね」というような反応でした。実際には海外の人と一括りにはできないですけどね。もちろん、仕事とか他の場面では時間厳守でやっていますよ(笑)。

これは極端な例でしたが、姑と嫁の関係には「こうしてほしい」「当然こうするでしょ」という期待があると思うんです。でも僕の母とサマンサの間にはそれがない。母はサマンサに「嫁としてこう振る舞ってほしい」と期待しませんし、サマンサも僕の母に対して余計な気を遣いません。お互いに余計な期待をかけず、気を遣わなくて済むので、母としてもサマンサと気楽に付き合えているようです。

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森本

日常生活の中でお互いに気を遣っていると、疲れてしまいますよね。余計な気を遣わなくて済むことは、国際結婚の大きなメリットと言えそうです。

反対に、国際結婚して困ったことはありますか?

茂木

サマンサの実家が遠いことです。行けるのはクリスマスやゴールデンウィークの時期に限られてしまうので、飛行機のチケット代がとても高くなります。

僕たちの子どもをおじいちゃん、おばあちゃんに会わせたいのですが、サマンサの両親に会いに行くのがなかなか難しい。国際結婚して僕たちが困っていることは、今のところそれくらいですね。

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