「もっと恋愛すべき」は効果ナシ。ミレニアル世代への恋愛のススメ方
“経済面の不安”があるなら結婚すべき! お金がないから結婚する若者も
- 佐藤
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最近の初婚年齢は、男性31.1歳、女性29.4歳になっています。これくらいの年齢になってくると、お互いに経済的にも精神的にも自立しています。他人の支えが必要ない2人が結婚すると、どうしてもお互いに“譲れないところ”が出てきて、トラブルの種になりかねません。
西村さんのお話を聞いていて、そうした“譲れないところ”が固まる前の若いうちに結婚して2人で生活共同体を育んできたことも、素敵な夫婦関係を築く一助になったのかもしれないと感じました。
- 森本
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年齢を重ねていくと、こちらの要望を伝えて、あちらの要望を聞き入れて――と、お互いに折り合いのつけどころを見つけていくのに苦労しますよね。
- 西村
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確かに、普通の夫婦生活はお互いの価値観のすり合わせから始めるのだと思いますが、私たち夫婦にはそういうことはまったくありませんでした。
その点は若いうちに結婚するメリットでしょう。けれど、経済面では苦労しました。私が大学に通っていたころは、妻の実家で一部屋借りて、ご両親のサポートを受けられたので、何とかやってこれました。
それでも経済面での苦労はあったものの、毎月の収入は夫が20万円、妻が20万円で合計40万円稼げれば、リッチな生活は無理でも、普通の生活は十分に営んでいけると思うんですよね。私たちの経験から考えても、“経済面の不安”で結婚しないのはもったいないことだと思います。
逆に、近ごろは「“経済面の不安”があるから」といって結婚しようとする同世代が増えているようにも感じます。
「結婚は“究極のシェアリングエコノミー”」だと私は考えています。共働きで収入源を2つに増やし、住居などの生活インフラをシェアすることでコストを下げることもできる。さらに結婚して子どもが生まれれば自分の覚悟も固まり、「子どもを育てるために何とかして年収を増やそう」というモチベーションも湧いてきます。
「お金がないから結婚しない」ではなくて「お金がないから結婚する」ことで、“経済面の不安”は払拭できる――このような発想の転換ができる若者を増やしていきたいです。
- 佐藤
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「30歳を過ぎれば給料も増える」といった年功序列型の考えを今も持ち続けている人もいます。ですが今の時代、何年経っても給料が現状の金額のまま増えない可能性すらあります。50年働き続けても「これだけ収入があれば結婚できる」と安心できるところまで給料が増えないかもしれないわけですから、“経済面の不安”を理由に結婚を見送るのは見当違いかもしれませんね。
- 西村
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仰るとおりです。それなら今すぐに結婚して共同生活を始めた方が、経済面で得られるメリットは大きいはずです。
“仕事”と“結婚・子育て”は両立できる。「二兎を追って二兎を得られる」世の中に
- 森本
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西村さんの「子どもが生まれれば自分の覚悟も固まる」という言葉、すごく共感しました。
生まれた子どもは、成人するまで何があっても親が守らないといけない。それが今、晩婚化が進んできていることで、50~60代になって初めて親になった方が増えてきています。
私は仕事柄、そうした方からキャリアに関する相談を受ける機会もあるのですが、「子どもが成人するまでは、働く親の背中を見せたい。だからこの先、20年は働き続けられる仕事を見つけたい」という強い思いが伝わってくるのです。
- 西村
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結婚すること、子どもが生まれること。人生のやる気スイッチをONにする絶好のチャンスですよね。
- 森本
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子どものころに思い描いていた理想の家庭像と、大学に通ってアルバイトにも励んだ現実の家庭生活。理想と現実の違いに悩みませんでしたか?
- 佐藤
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私も25歳で子どもができて結婚しました。生まれたばかりのころは、毎月の養育費はミルクやオムツのお金くらいで、せいぜい1万円くらい。それが保育園に入ると毎月3万円は必要になり、小学校に進むと5万円ほどにまで膨らんでくる。「上司に怒られたから、もう仕事辞めたい」なんて言ってられないですよ(笑)。
- 西村
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そういう覚悟を社会人1年目から持てたのはすごく良かったです。
私は今、株式会社HARESの代表を務めています。「HARES」は、英語の「うさぎ(hare)」の複数形。「二兎を追って二兎を得られる世の中を創る」というビジョンを実現したいという思いを込めて、この社名にしました。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」と言って人生の選択肢を絞るのではなく、やりたいことをどちらも追うことで人生をもっと豊かにしてほしい。同世代の仲間を見ていると、20~30代の優秀な人の中に「仕事で成功したいから、今は恋愛・結婚について考えることをやめる」という人がたくさんいます。
そういう人にこそ私自身の経験を伝えて、「仕事で成功すること」と「恋愛・結婚して共同生活を営むこと」は両立できると応援したいです。むしろパートナーがいた方が仕事のパフォーマンスも上がり、「二兎を追って二兎を得られる」のだと考えてくれる人を増やしていけるように尽力していきます。