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「もっと恋愛すべき」は効果ナシ。ミレニアル世代への恋愛のススメ方

ミレニアル世代の価値観は100人100通り。「もっと恋愛しよう」と言われても響かない

佐藤 茂(タメニー株式会社(旧株式会社パートナーエージェント) 代表取締役社長。以下、佐藤)

佐藤

今の若者は「草食男子」が増えて、「恋愛離れ」が進んでいるとも言われています。今の若者の恋愛観について、同世代の西村さんは、どのように感じていますか?

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西村 創一朗(株式会社HARES 代表取締役、複業研究家/働き方改革コンサルタント。以下、西村)

西村

全体で「恋愛離れ」が進んでいるわけではなく、すごく二極化しているように感じます。新卒1年目で結婚する人もいれば、「仕事に生きるんだ」「趣味の世界があればいい」と恋愛には目もくれない人もいます。

「若者はもっと恋愛するべきだ」と言う人もいますけど、私たちの世代は100人いれば100通りの価値観があり、「○○するべきだ」と言われても響かないんです。自分の価値観を押しつけて、みんなの価値観を変えようとしても空回りするだけ。1人1人の価値観、恋愛への向き合い方を受け入れてもらうことが大事だと思います。

森本 千賀子(株式会社morich 代表取締役社長。以下、森本)

森本

100人に100通りの価値観があることを認めるのが大事だとしても、「何かをきっかけに自分を変えて、一歩前に踏み出すことで得られる幸せ」もあると私は思います。どうすれば今の若者たちに、恋愛に対して一歩前に踏み出すことを促せると思いますか?

西村

やはり、“出会い”ではないでしょうか。良縁があれば、そこから恋愛へと発展していくことも期待できます。

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ただ、先ほど話したように「恋愛するためにもっと出会いを増やすべきだ」と促されても、私たち世代の行動は変わりません。YouTuber(ユーチューバー)に代表されるように、今の若者たちの間では「自分の好きなことだけやって生きていきたい」という思いがとても強くなっていますから。

逆に考えると、「自分の好きなこと」という共通点さえあれば、恋愛・結婚が上手くいくケースはたくさんあります。例えば、お互いに恋愛・結婚にはまったく興味がなく、交際経験もゼロだったのに、トントン拍子で結婚した夫婦もいます。2人ともゲーム好きで、オンラインゲームのオフ会に参加して出会い、好きなゲームのキャラクターが同じことから話が盛り上がってすぐに仲良くなり、付き合うようになったんです。

森本

恋愛・結婚を促したいのなら、「彼氏/彼女をつくる」を目的とした出会いの場ではなくて、恋愛を意識させずに共通点のある人たちが集まる場を増やすべきなんですね。

早婚すると女性は専業主婦になるしかない? ギブ&テイクで男性も家事・育児を

森本 千賀子
森本

“共通点”と言えば、実は私も西村さんも同じリクルートグループ出身。リクルート出身者の男性は結婚が早い傾向がありますよね。

西村

リクルートの社員は、男性も女性も活動的で、出会いや恋愛にも積極的です。それに加えてリクルート社員の20代の年収が市場平均に比べて決して少なくはないことが、男性に早婚の傾向がある大きな要因だと思います。結婚を決断する上で、“経済面の不安”が障害にならないんですよね。

森本

ただ、リクルートで社内結婚すると、女性が出産してから仕事に戻りたくても戻れなくなってしまい、専業主婦になることが多いです。

西村

そこが課題なんですよね。男性が若いうちに結婚すると、仕事だけで手一杯で、家事のスキルも未熟なので、結局は女性が家事・育児をやらざるを得ない。それで仕事に復帰できなくなっている女性がたくさんいます。

男として仕事を最優先するのも分かりますが、夫婦でギブ&テイクし合うことが大事だと私は思います。奥さんのやりたいこと、大変なときを旦那さんが支えて“ギブ”すると、後になって奥さんが“テイク”を返してくれるものです。

私の知っているある夫婦は、医者の奥さんが1人目の子どもを産んだとき、旦那さんが一生懸命支えました。その後、旦那さんが「起業したい」と思い立ったとき、子育て中の家庭なら反対する奥さんも多いと思うのですが、その奥さんは「1人目の子どもを産んで一番大変だったときに支えてくれたから」と起業を応援して、今度は奥さんが旦那さんを支えてくれたそうです。

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森本

女性にも、家事・育児以外にやりたいことはありますからね。

西村

私は19歳で結婚して父親になったことには一切後悔していませんが、結婚生活で唯一、後悔したことがあります。それは結婚して、妻が大学を中退してしまったことです。

「将来の目標があるわけではないし、子育てに加えて学費でも親に負担をかけたくないから」と言って、自分から辞めてしまったんです。

それがすごく心残りで、いつも「何かやりたいことがあったら応援するから」と言い続けてきました。最近になってやっと「看護師になりたい」と言ってくれて、「今度は私が応援する番だ」とうれしく思っています。

佐藤

若いうちから結婚することには経済的な不安もありますし、「もっと素敵な相手と出会えるかもしれない」という可能性を閉ざすことにもなります。そういった理由から、若くして結婚することには勇気が必要で、タイミングを逃してしまう人も多いと思います。

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