選択的シングルマザーになるための3つの選択肢|メリットやデメリットも解説!
芸能人にも、選択的シングルマザーを選んだ方がたびたび注目されたケースがあります。選択的シングルマザーと一般的なシングルマザーとの違いはあるのでしょうか。
家族の形は、さまざまです。母親と父親がいる家庭からシングルマザー・ファザーなど、世の中には沢山の形が存在します。その中でも、注目されつつあるのが「選択的シングルマザー」です。
今回の記事では、選択的シングルマザーになるための3つの選択肢やメリット、デメリットを紹介します。子どもは欲しいけど恋愛・結婚には興味がなく悩んでいる方や、結婚や性的接触しなくても子どもを育てられる方法を知りたい方にはとくにおすすめです。
目次
選択的シングルマザーとは
選択肢シングルマザーの言葉を知っていても意味や出来た理由など、詳細について理解している方はそう多くはありません。そこで今回は、選択的シングルマザーの意味や選ぶ理由などを解説します。
・選択的シングルマザーの意味
・選択的シングルマザーを選ぶ理由
選択的シングルマザーの意味
「選択的シングルマザー」とは、自分の意思で結婚・結婚相手をもたずに母親になることを決断した人のことを指します。元々は1981年にアメリカ心理療法士ジェーン・マテスが「Single Mother by Choice(SMC)」と呼ばれる支援団体を設立したことがきっかけです。
選択的シングルマザーには、未婚または事実婚状態の恋人同士は該当しません。あくまでも、自分の意思で結婚という選択肢をとらず母親になった人のことを表します。離婚ではなく、自分の強い意思で母親になったという部分が重要です。
選択的シングルマザーを選ぶ理由
・恋愛を自由にしたい
・離婚による悲しい経験をするのが怖い
・結婚に対し価値を見いだせない など
選択的シングルマザーを選ぶ理由には、さまざまなものが考えられます。選択的シングルマザーでは、自分のタイミングで子どもを妊娠・出産できます。女性には身体的に出産へのリミットが存在するのが現状です。いつまでも相手を待っているよりも、自分の力だけで子どもを育てたいという強い意思がある人が増えてきているのが選択的シングルマザーのメリット・選ぶ理由といえます。
選択的シングルマザーが増えている背景
選択的シングルマザーが増加している背景には、大きく2つの理由が関係しています。増加している背景を考えると、選択的シングルマザーは今後も増加する可能性は否定できません。
・女性の社会進出・金銭的自立が進んでいる
・結婚が必ずしも必要という考えが薄くなってきた
女性の社会進出・金銭的自立が進んでいる
選択的シングルマザーが増えている背景には、女性の社会進出・金銭的自立が進んでいることが考えられます。結婚をしなくても子どもを産みたい・育てられるという認識があるため、わざわざ結婚・キャリアを捨てるのは勿体ないと思っています。女性の社会進出、金銭的自立が進んでいるため、わざわざ男性からの援助を受ける必要はないという考え方の人もいるようです。
結婚が必ずしも必要という考えが薄くなってきた
女性の社会進出・金銭的自立が進んだことで、「子どもの妊娠・出産=結婚」が必ずしも必要であるという考え方自体が薄くなってきている可能性があります。結婚をしなくても、自分の人生・キャリアプランを考えた上で子どもを持つ・もたないの選択肢ができるという自由な方向へと進みつつあるようです。
ただ、まだまだ選択的シングルマザーという言葉自体の浸透率はそこまで高くありません。シングルマザーと選択的シングルマザーの違いについての認識も、まだまだ低くあります。女性の人生・キャリアプランを考えると、今後さらに増加する可能性のある「選択的シングルマザー」についての理解は深めていく必要があります。
選択的シングルマザーのメリット・デメリット
選択的シングルマザーには、メリットとデメリットがあります。選択的シングルマザーを選ぼうか人生の選択を迫られている方は、メリットとデメリットを理解してから最終決定を下しましょう。
何の知識もない状態では、自分の選択に後悔する可能性もあります。自分にとって1番良い決断をするなら、良い面・悪い面の両方を理解しておきましょう。各メリットとデメリットの詳細を解説し、理解を深めていく事に繋げます。
・選択的シングルマザーのメリット
・選択的シングルマザーのデメリット
選択的シングルマザーのメリット
選択的シングルマザーのメリットは、3つあります。選択的シングルマザーならではのメリットです。各メリットの詳細をまとめました。
・自分のタイミングで子どもを出産できる
・名字を変える必要がない
・恋愛や結婚、性的接触などに抵抗がある方の選択肢が広がる
自分のタイミングで子どもを出産できる
選択的シングルマザーは、自分のタイミングで子どもを出産できます。出産は、自分の人生・キャリアなど全てに大きな影響を与える存在です。夫婦で妊娠を検討する場合、自分だけのタイミングではなかなか上手くはいきません。
選択的シングルマザーなら、自分自身の意思のもと全てを決定できます。人生・キャリアプランに合わせて子どもの妊娠・出産計画を立てられます。人生・キャリアと子どもの妊娠・出産の両方を諦めずに追い続けられるのが、選択的シングルマザーの最大のメリットです。
名字を変える必要がない
選択的シングルマザーでは、特定の相手と結婚する必要がありません。そのため、名字を変えたり相手方に挨拶をしに行ったりする必要がないのがメリットです。名字を変えるには、さまざまな手続きがあります。手続きに時間がかかったりさまざまな準備をしたりなど、バタバタしがち。
結婚から離婚という流れになれば、さまざまな手続きや話しあいが必要です。話し合いが必ずしも上手くいくとは限らないため、最悪の場合は裁判に発展することも。
選択的シングルマザーなら、これらの手間が一切かかりません。結婚をすることがないので、離婚をする心配ももちろんありません。さまざまなリスク・危険性を最小限に抑えられるのが、選択的シングルマザーのメリットです。自分の名字のまま、子どもの妊娠・出産までを迎えられます。
恋愛や結婚、性的接触などに抵抗がある方の選択肢が広がる
選択的シングルマザーは恋愛や結婚、性的積極などに対し抵抗がある方の選択肢の1つにもなる存在です。選択的シングルマザーでは、性的接触をしなくても子どもを妊娠・出産することができます。自分のセクシャリティに関わらず、母親になれるのが選択的シングルマザーのメリットです。
選択的シングルマザーのデメリット
選択的シングルマザーには、3つのデメリットがあります。選択的シングルマザーでは、子どもを1人育てていく覚悟が必要です。各デメリットの詳細を知って、心から納得したうえで選択的シングルマザーの道を選びましょう。
・自分の身に何かあると収入源を失う
・仕事と育児を1人で両立する
・周囲からの偏見に悩む可能性がある
自分の身に何かあると収入源を失う
選択的シングルマザーの場合、自分1人で子どもを世話する必要があります。万が一病気や怪我などで働けなくなった場合、収入源を失うことになります。将来への不安が重くのしかかってきて、気持ちが暗くなってしまうこともあるでしょう。
選択的シングルマザーを続けていくためには、精神的にも肉体的にも自立しているという覚悟・自信を持つことが重要です。何かあったとしても生活できるように貯金を貯めたり、収入の多い会社に転職したりなどさまざまな方法を模索・実践してみましょう。
仕事と育児を1人で両立する
選択的シングルマザーでは、仕事と育児の両方を1人で両立させなければなりません。1日仕事をして疲れた身体で育児をするという生活を続けていくため、疲れも溜まります。疲れをリフレッシュさせたり、自身と子どもがより良い生活ができるような工夫を考えていくことが大切です。
保育所に預ける場合にはその分出費が増えます。子どもの生活をどう豊かなものにしていくのか、最も良い形をひたすら模索していく必要があります。
周囲からの偏見に悩む可能性がある
選択的シングルマザーという言葉は、日本ではまだまだ普及していません。母親と子どもが2人でいると、心ない言葉を言われたり相手から同情されてしまうこともあるでしょう。選択的シングルマザーを選んだ旨を伝えても、質問攻めにあってしまうケースも。
選択的シングルマザーを選んだからには、周囲からの偏見や心ない言葉にも動じない強い精神をもつことが大切です。自分と子どもが幸せに生きれる形として選んだ選択的シングルマザーが、間違っていなかった証明をし続けましょう。
選択的シングルマザーになるための3つの選択肢
選択的シングルマザーになるためには、大きく3つの選択肢が存在します。3つの選択肢のなかには、日本では未導入な方法もありました。選択的シングルマザーになる方法を知りたい方や、自分でも選択的シングルマザーになれる資格があるかどうかを知りたい方にはとくにおすすめです。
・交際相手とは結婚せず妊活だけを行う
・国内有志の精子提供を受ける
・海外の精子バンクを利用する
各選択肢の詳細をまとめました。
交際相手とは結婚せず妊活だけを行う
選択的シングルマザーになる方法の1つは、交際相手とは結婚をしないのを条件に”妊活”だけを行います。交際相手と十分話し合いを行って結婚ではなく、あくまでも妊娠・出産を目的とした付き合いです。
一般的に交際相手と交際し結婚または妊娠という流れがあります。選択的シングルマザーでは結婚という選択肢を取らないため、妊娠したとしても相手と恋人以上の関係になることはありません。
また、交際相手の方が結婚したいまたは子どもが欲しい場合には上手くいきません。あくまでも相手の了承を得たうえで行う方法であるため、互いの考え方について十分に話し合う機会を設けましょう。
国内有志の精子提供を受ける
選択的シングルマザーになる方法の2つ目は、国内有志の精子提供を受けることです。民間精子バンク「みらい生命研究所」などが、1つの例です。精子提供を受けられれば、交際相手がいなかったとしても自分の意思で子どもを妊娠・出産できます。
ただ、日本で精子提供を受けられるのは必要であると認定された妊娠できない夫婦のみです。選択的シングルマザーへの精子提供への道はまだ長いですが、今後日本での認知度が上がれば可能性は上がってくるでしょう。
海外の精子バンクを利用する
選択的シングルマザーになる方法の3つ目は、海外の精子バンクを利用することです。海外の精子バンクを利用して、子どもを妊娠・出産します。
ただ、海外の精子バンクを利用するのにはまだまだ大きな壁があります。海外から精子を輸送してくるため衛生面が問題ないかどうかが気がかりです。多額の利用料金がかかるため、金銭的に余裕のある方や海外の精子バンクを利用するのにこだわっている方でなければなかなかハードルは高いです。
選択的シングルマザーになるときの3つの注意点
選択的シングルマザーを選ぶなら、3つの点に注意すべきです。選択的シングルマザーの認知は、日本ではまだまだ浸透していません。選択的シングルマザーならではの注意点を事前に理解・整理しておけば、さまざまな準備を進められます。
・父親の認知
・子どもの出自を知る権利
・悩みを1人で抱え込まない(相談できる場所に頼る)
父親の認知
選択的シングルマザーになるなら、父親の認知については相手方としっかり話し合っておくことが必要です。子どもの妊娠・出産を経て「やっぱり認知したい」と言われる可能性はあります。相手から認知したいといわれたまたは法的に必要になってしまった場合など、さまざまな角度から父親の認知問題について話し合っておきましょう。
相手から養育費・援助が欲しい場合には、父親の認知が必要不可欠です。生活に不安を感じ、支援が欲しいと思ったら父親の認知について、家族の形について意見を言い合う機会を設けてください。
子どもの出自を知る権利
選択的シングルマザーになるなら、子どもの出自を知る権利を忘れてはなりません。子どもが自分の出自を知りたいと思ったとき、質問にしっかりと答えられるようにしておくことが大切です。
少しずつ年を重ねていくうちに親が1人しかいないこと、父親がいないことに対し質問したがる素振りをみせてくる時がくるでしょう。もし質問をされたときには、選択的シングルマザーを選んだ理由を正直に伝えることが大切です。
ときには、周囲と自分が違うことに恥ずかしさを感じてしまう子どももいるでしょう。選択的シングルマザーを選んだ理由と覚悟をしっかり伝えることが重要です。子どもの出自を伝えるきっかけが、2人の仲をさらに深めることになるでしょう。
悩みを1人で抱え込まない(相談できる場所に頼る)
選択的シングルマザーを選ぶなら、悩みを1人で抱え込まないような対策を考えておきましょう。選択的シングルマザーの認知度はまだまだ高くないため、他人に悩みを明かせない方は少なくありません。
悩みを抱え込みすぎるのは、心身ともに大きなストレスになります。悩みを吐き出せたり相談できたりするような場所を探すことが大切です。支援団体やNPOなどに相談したり、SNSで繋がったりなど支え合う環境に足を踏み入れましょう。
とくに選択的シングルマザー同士であれば、生活のコツや悩みまで幅広いことを話し合えます。生活のコツや知恵を手に入れるためにも、まずは1人にならない環境作りをこころがけましょう。
ただ、SNSでの活動をするときには他人からの誹謗中傷には注意が必要です。SNSには匿名があるため、他人を簡単に批判できてしまいます。「選択的シングルマザー」という日本にまだ浸透しきれていないことに強く反応し、何かしらのアクションを起こされる可能性は否定できません。
選択的シングルマザーを選ぶのも選択肢の1つ!自分と子どもの幸せの形を探そう
子どもを産みたいまたは育てたい方には、選択的シングルマザーという選択肢もあります。幸せの形は人それぞれ。自分と子どもにとって最善と思える策を実行しましょう。
ただ、選択的シングルマザーへの理解が浸透するのにはまだまだ時間がかかりそうです。気長に待ちながらも、利用できる方法や注意すべき点を参考にしながら毎日を豊かに過ごすことが大切です。
時に周囲の偏見が目で見られる可能性もありますが、気にする必要はありません。選択的シングルマザーになれる3つの方法の内のどれかを選んで、早速前に進みましょう。出産には、身体的にタイムリミットが存在します。常に早め早めに動いて、将来の可能性を広げていく事も大切です。