失敗が怖いから、結婚したくないという気持ちはあるよね
今でも、寝る前にふと思い出す記憶がある。
家族会議という名の下、幼い私と弟の目の前で罵倒し合っている父親と母親。
怯えている弟。
どうすることもなく、ただただ泣くしかない私。
また違う日、母親に聞く。
「なんで離婚しちゃうの」。
彼女は目を合わすことなく、こう言う。
「私と彼は、他人だから」
目次
けれど、結婚したいと思う気持ちとは
ここでは割愛するが、小学3年生が見ることになった両親の離婚劇は想像を絶するものだった。
当時から実年齢にしてはマセていると言われていた私でさえ、すごいストレスを抱えていたと予想がつく。
男女の泥沼愛憎劇を間近で見てしまい、成長してからも結婚願望は抱かないであろうと想像していた人(「シングルマザーになりそう」とよく言われてきた)たちも多かったが、年々結婚願望は強まるばかりだ。
確かに結婚に対して、どうしても斜に構えてしまうこともある。
大きなダイヤモンドが煌めく婚約指輪や結婚指輪を貰ったり、とんでもないお金持ちと玉の輿できたりしても、全てが幸福だとは言い切れない。
もし何不自由無い生活だけで結婚を継続できるのであれば、母親は父親に別れを切り出さなかっただろう。
その時一番好きな人と結婚、つまり公的な関係になれるわけだ。
世間に承認されるのは、これ以上なく幸せだとも考える。
公に出来ない人との色恋を経験した身としては、SNSにリスクなく彼との写真を載せられることが、信じられないぐらい嬉しいこと。
でも、懸念点が無いわけでもない。
幸せになれない結婚ならいらない
言ってしまえば、私は夫婦生活を肌で感じながら生きていたのは、物心がついてから9歳まで。
しかも、両親は子供の前では喧嘩をしないように昔から取り決めをしていたらしく、まともな夫婦喧嘩を初めて見た時が冒頭で書いた日なのだ。
だから、夫婦喧嘩の仕方や加減も分からないし、普段の夫婦関係もよく分からない。
仮に結婚したとして、妻がどのように振舞うかも知らない。
全く分からない。
離婚後は父親を選び、良くも悪くも男女平等に育てられ、そうして出来上がったのが負けん気が強く男性相手に媚びれない女だった。
残念ながら、こういう女性を結婚相手の第一候補にする男性は極めて少ない。
大半の男性が結婚相手に求めるのは、どんな自分でも受けいれ、抱きしめてくれるような包容力のある女性なのだ。
決して、間違いを正し、ゲキを飛ばし、奮い立たせるような女性ではない。
考えてみてほしい。
フィクション作品でも、本命ヒロインはいつだって前者のような女性なのだから。
結婚はしたいし子供も欲しい。
でも、親のような離婚劇になってしまったり、シングルマザーとなってしまったら……。
誰かに支えられたい時もあれば、頑張れる理由だって欲しい。
だって、人間だもの。
だって、幸せな家庭を持ちたいのだもの。